トレーラーハウスの耐用年数と減価償却|車両扱いは4年?建物扱いとの違い
| 区分(別表第一の行) | 耐用年数 | 当てはまりうる場面 |
|---|---|---|
| 車両:運送事業用・貸自動車業用など「被けん引車その他のもの」 | 4年 | 運送事業や貸自動車業として持つ場合 |
| 車両:上記以外の「その他のもの」のうち自走能力を有するもの | 7年 | (エンジンのないトレーラーハウスは通常当たらない) |
| 車両:上記以外の「その他のもの」のうち、その他 | 4年 | 一般の事業者が車両として持つ場合に検討される行 |
| 簡易建物:掘立造・仮設のもの | 7年 | 解体・組立てを繰り返す仮設建物(トレーラーハウスに当たるとは書かれていない) |
| 建物:木造・合成樹脂造(住宅用) | 22年 | 建物として扱う場合 |
| 建物:金属造(住宅用・店舗用) | 19年・27年・34年 | 骨格材の肉厚3mm以下・3mm超4mm以下・4mm超 |
「トレーラーハウスは4年」と言い切れない理由
「トレーラーハウスの耐用年数は4年」という説明はよく見かけます。省令の表を読むと、トレーラーハウスに関係しうる4年の行は2つあります。
1つめは、運送事業用・貸自動車業用・自動車教習所用の車両の中にある「被けん引車その他のもの」で、4年です。ただしこの区分は、名前のとおり運送事業などに使うものに限られます。
2つめは、それ以外の車両(「前掲のもの以外のもの」)です。ここには被けん引車という行がありません。末尾の「その他のもの」が、自走能力を有するもの7年、それ以外4年と分かれているので、エンジンのないトレーラーハウスを車両として扱うならこの4年の行が候補になります。
問題は、一般の事業者が持つトレーラーハウスにこの行を当ててよいと国税庁が示した資料が、今回の調べでは見つからなかったことです。今回確認した国税庁の耐用年数通達の範囲でも、トレーラーハウスについての記述は見つかりませんでした。
建物として扱うなら、構造と用途で年数が決まる
土地に定着していて建物とみられる場合は、別表第一の「建物」の行を使います。年数は構造(木造か金属造か)と用途(住宅・事務所・店舗・旅館など)の組み合わせで決まります。金属造は、骨格材の肉厚で3段階に分かれます。
| 構造 | 住宅用・店舗用 | 事務所用 | 旅館・ホテル用 |
|---|---|---|---|
| 木造・合成樹脂造 | 22年 | 24年 | 17年 |
| 金属造(骨格材の肉厚3mm以下) | 19年 | 22年 | 17年 |
| 金属造(3mm超4mm以下) | 27年 | 30年 | 24年 |
| 金属造(4mm超) | 34年 | 38年 | 29年 |
| 鉄筋コンクリート造(参考) | 47年(住宅用) | — | — |
同じ建物扱いでも、宿泊施設として使えば木造17年、事務所なら24年と、用途で差が出ます。金属造の場合は骨格材の肉厚が分からないと区分が決まらないので、メーカーに確認する必要があります。コンテナハウスでも同じ問題があり、コンテナハウスで後悔しやすい点で触れています。
仮設の「簡易建物」7年は、トレーラーハウスに当たるとは限らない
別表第一には「簡易建物」の行もあり、掘立造のものと仮設のものが7年、木製で主要柱が10cm角以下のトタンぶきなどが10年です。国税庁の通達2-1-23は、仮設のものを「建設業における移動性仮設建物」のように解体・組立てを繰り返して使うことが常態のもの、と説明しています。
トレーラーハウスは解体せずに丸ごと移動するのが普通なので、この説明にそのまま当てはまるかは分かりません。通達にもトレーラーハウスの記述はありません。
年数で1年あたりの費用はどれだけ変わるか
耐用年数の違いは、毎年経費にできる額の違いになります。ジャパントレーラーファクトリーの住居モデルH07(本体632万円〜・税抜)を例に、本体価格を耐用年数で単純に割ると次のようになります。実際の償却額は、償却方法・取得価額に含める費用・事業に使う割合などで変わるので、あくまで年数の差を見るための計算です。
| 耐用年数 | 当たりうる区分 | 1年あたり(単純計算) |
|---|---|---|
| 4年 | 車両「その他のもの」 | 約158万円 |
| 7年 | 簡易建物(仮設) | 約90.3万円 |
| 19年 | 金属造・住宅用(肉厚3mm以下) | 約33.3万円 |
| 22年 | 木造・住宅用 | 約28.7万円 |
年数が短いほど1年あたりの経費は大きくなりますが、全期間で経費にできる合計は同じです。早く経費にすることが得かどうかは、その年の利益や税率、将来の売却の予定で変わります。「トレーラーハウスで節税できる」と一律には言えません。
車両扱いと建物扱いは、固定資産税とも連動する
耐用年数の区分は、所得税・法人税の話です。固定資産税は市町村が別に判断します。車検を取って自動車税を払っているトレーラーハウスは、地方税法第341条第4号により償却資産から除かれます。一方で、車輪を外す・上下水道や電気を引き込むなどで、香美市のように家屋として課税する市町村もあります。
税務署には車両として申告し、市町村からは家屋として固定資産税がかかる、ということもありえます。固定資産税の判断はトレーラーハウスの固定資産税、年間の費用はトレーラーハウスの維持費で整理しています。
投資や貸し出しに使うときに確かめたいこと
トレーラーハウスを宿泊施設やレンタルに使って収益を得る場合も、まず決めるのは「車両か建物か」です。宿泊施設として使い、税務上も建物として扱うなら、旅館・ホテル用の年数が候補になります。貸し出しの料金相場はトレーラーハウスのレンタル料金でまとめています。
税理士や税務署に相談するときは、次の点を伝えると判断が早くなります。
- 車検を取って登録しているか(車検証の写し)
- 設置の状態(車輪を付けたままか、配管・電気の接続方式、階段・デッキの有無)
- 事業の内容(運送業・貸自動車業か、宿泊・店舗・事務所か)
- 構造(木造か金属造か)と、金属造なら骨格材の肉厚
- 新品か中古か、本体以外に輸送・設置費をどう払ったか
よくある質問
この記事の耐用年数と制度は、2026年11月4日に e-Gov法令検索と国税庁の公式ページで確認しました。税の扱いは個別の事情で変わるため、申告の前に税理士や所轄の税務署で最新の内容を確かめてください。
