トレーラーハウスでサウナを営業するには|公衆浴場法の許可と自治体の基準
| 場面 | 公衆浴場法の許可 | どこの扱いか |
|---|---|---|
| 個人がサウナを楽しむだけ | 制限なし | 東京都西多摩保健所 |
| 施設を設けて他の人を入浴させる | テント設営の都度、許可が必要 | 東京都西多摩保健所 |
| 旅館業許可のあるキャンプ場の経営者が設置し、宿泊者だけに使わせる | 公衆浴場法の許可は不要(旅館業法の変更届が必要)。経営者以外が設置する場合は許可が必要 | 東京都西多摩保健所 |
| 年間の営業日数が5日以上 | 許可申請が必要(移動営業として申請できる) | 鳥取県(中部・西部地区) |
| 年間の営業日数が5日未満 | 許可申請は不要 | 鳥取県(中部・西部地区) |
業として人を入浴させるなら、公衆浴場法の許可が前提
公衆浴場法は、温湯などを使って公衆を入浴させる施設を「公衆浴場」とし、業として公衆浴場を経営しようとする人は都道府県知事の許可を受けなければならないと定めています(第1条・第2条第1項)。保健所を置く市と特別区では、許可を出すのは市長・区長です。
許可は申請すれば必ず下りるものではありません。第2条第2項は、設置の場所や構造設備が公衆衛生上不適当なとき、設置場所の配置が適正を欠くときは許可を与えないことができるとし、配置の基準は都道府県などの条例で定めるとしています。無許可で営業すると、第8条により6月以下の拘禁刑または2万円以下の罰金の対象です。
「トレーラーサウナ」という言葉そのものは、厚労省の報告書にも自治体のページにも出てきません。今回確認できたのは「テントサウナ」「バレルサウナ」「サウナバス」「移動式サウナ」までです。トレーラー型のサウナがどの区分で扱われるかは、営業する場所の保健所に聞くことになります。
アウトドアサウナの扱いは、157自治体で3つに分かれる
厚生労働省の「公衆浴場法におけるサウナに係る許可等のあり方調査研究に関する検討会」報告書(令和6年3月)は、サウナの基準を定める157自治体に、テントサウナ・バレルサウナ・サウナバスなどのアウトドアサウナをどう扱っているかを調べています。
| 扱い | 自治体数 | 割合 |
|---|---|---|
| ほかの公衆浴場のサウナ基準をそのまま適用 | 97 | 62% |
| 基準を一部緩和して適用 | 39 | 25% |
| アウトドアサウナの営業を許可していない | 21 | 13% |
6割強の自治体は、屋内の浴場のサウナと同じ基準をアウトドアサウナにも当てはめています。緩和のある自治体は4分の1にとどまり、1割強の自治体ではそもそも営業ができません。トレーラーハウスでサウナを始めるなら、車両や設置場所を決める前に、営業したい地域がどの扱いかを確かめるのが先です。
西多摩保健所は「設営の都度」、鳥取県は「年5日未満は不要」
東京都西多摩保健所:他の人を入浴させるなら、設営のたびに許可
東京都西多摩保健所は、テントサウナについて、個人が楽しむだけなら制限はないとしたうえで、施設を設けて他の人を入浴させる場合は「テント設営の都度」公衆浴場法の許可が必要と案内しています。旅館業の許可を持つキャンプ場の経営者が設置して宿泊者だけに使わせる場合は、公衆浴場法の許可は要らず、旅館業法の変更届で足りるという扱いも示しています(経営者以外が設置する場合は許可が必要)。場所を変えて営業する移動型のサウナは、置き場所が変わるたびに手続きが要ると読むのが自然です。
鳥取県(中部・西部):移動営業として申請でき、年5日未満は申請不要
鳥取県の中部・西部地区のガイドライン(令和6年4月)は、テントサウナなどを「移動営業」として公衆浴場法の許可申請ができるようにしました。年間の営業日数が5日未満なら許可申請は不要としています。この日数の基準は鳥取県中部・西部の独自のもので、全国共通ではありません。同ガイドラインは、許可申請の前に消防や建築の部局へ相談することも求めています。
洗い場がない場所では、屋外シャワーで認めた例もある
サウナの営業では、汗を流す洗い場の確保が問題になりがちです。厚労省の報告書には、移動式サウナの設置場所の近くに屋内の洗い場が確保できなかったケースで、屋外にシャワーテントを置いて洗い場とすることを特例で認めた自治体の例が載っています。あくまで特定の自治体の事例で、どこでも通るわけではありません。トレーラーハウスにシャワーを組み込むか、外に別の設備を置くかは、保健所と相談しながら決めることになります。
置き方次第で、トレーラーハウスでも建築物として扱われる
公衆浴場法の許可とは別に、トレーラーハウスを置いた状態が建築基準法上の建築物に当たるかどうかも問題になります。判断は自治体によって違います。
| 自治体 | 建築物として扱う例 | 車両として扱う例 |
|---|---|---|
| 木更津市 | 随時かつ任意に移動できないもの、常設目的のもの、他法令で特定の住所が必要なもの(ホテル・旅館業の施設の設置場所など) | 1日〜1週間程度のイベントのために置くもの、間をあけて定期的に置く移動販売など |
| 宮城県 | 住宅・事務所・店舗などとして設置し継続的に使う場合(設置前に建築確認申請が必要) | — |
| 仙台市 | 継続的に使う場合は「形態及び使用の実態によっては」建築物(建築確認申請が必要) | — |
週末のイベントに数日だけ置くサウナと、同じ場所に据えて毎日営業するサウナとでは、建築基準法上の見られ方が変わりえます。鳥取県のガイドラインも、許可申請の前に建築部局へ相談するよう求めています。トレーラーハウスが建築物になる条件はトレーラーハウスと建築基準法で詳しく扱っています。
宿泊施設やカフェに付けるなら、別の許可も重なる
グランピング施設やキャンプ場にサウナを付ける場合、西多摩保健所の扱いでは、旅館業の許可を持つ施設の経営者が設置して宿泊者だけに使わせるなら公衆浴場法の許可は要らず、旅館業法の変更届になります。同じ扱いでは、宿泊者以外にも入浴させるなら公衆浴場法の許可の対象です。日本トレーラーハウス協会は、トレーラーハウスでホテル営業の許可を取るには建築行政・消防署・保健所の3か所が関わると説明しています。宿泊と組み合わせる場合の手続きはトレーラーハウスで宿泊施設を開業するを参照してください。
サウナの後に調理した軽食や飲み物を出すなら、食品衛生法の飲食店営業の許可も別に要ります。店舗やカフェとして使う場合の考え方はトレーラーハウスで店舗・カフェを開くにまとめています。
サウナ用トレーラーハウスの価格を公表している例
サウナ専用のトレーラーハウスで価格を公式に出している例として、ジャパントレーラーファクトリー(信託ホーム)の「サウナモデル S02」があります。外寸は幅1,900mm×奥行1,900mm、本体価格は220万円〜(税別)で、最大4名、薪ストーブ、総ヒノキ仕様と紹介されています。輸送・設置費を含むかの記載はありません。ほかのメーカーでサウナ仕様の価格を公表している例は、今回の確認では見つかりませんでした。
営業までに確かめる順番
- 営業したい場所の保健所に、トレーラー型のサウナをどの区分で扱うか、アウトドアサウナの営業を認めているかを聞く
- 置き方(イベントのたびに動かすか、据え置くか)を決め、建築部局に建築物に当たるかを相談する
- 消防署に、薪ストーブなど火を使う設備の扱いを相談する
- 洗い場・シャワーなど、その自治体のサウナ基準に合う設備をそろえる
- 宿泊や飲食と組み合わせるなら、旅館業・飲食店営業の手続きも並べて進める
よくある質問
この記事の法令と自治体の基準は、2026年11月4日に各公式ページで確認した内容です。サウナの扱いは自治体ごとに異なり、変わることもあるため、営業前に必ず営業場所の保健所と建築・消防の窓口で確かめてください。
- 公衆浴場法(e-Gov法令検索)2026年11月4日確認
- テントサウナの営業について(東京都西多摩保健所)2026年11月4日確認
- 公衆浴場法に基づくテントサウナ等の衛生管理等ガイドライン(鳥取県)2026年11月4日確認
- 公衆浴場法におけるサウナに係る許可等のあり方調査研究に関する検討会 報告書(厚生労働省)2026年11月4日確認
- 車両を利用した工作物の取扱い(木更津市)2026年11月4日確認
- トレーラーハウスを利用した建築物について(宮城県)2026年11月4日確認
- トレーラーハウスを利用した建築物について(仙台市)2026年11月4日確認
- よくあるご質問(日本トレーラーハウス協会)2026年11月4日確認
- サウナモデル S02(ジャパントレーラーファクトリー)2026年11月4日確認
